頭痛予防のための「陰翳礼讃」の空間デザイン

頭痛を予防するライティング

光量を落とすことが第一

ライトについては、まず、必要がない限り点けないことが重要です。ほとんどの場合、窓がある部屋は光は足りています。

人の目というのは、非常に暗所性能が高いのですが、同時に暗順応に時間がかかるという特徴も持っています。

暗所性能というのは、カメラでいうとISO感度のことですね。手元にSONYの超高感度カメラα7sがあるのですが、それに匹敵するくらい、人間は見えます。

ただし、欠点があるのですね。暗順応が非常に遅いのです。
暗順応というのは、明るいところから暗いところに行った時に、目が慣れてよく見えるようになるまでの時間のことです。

趣味の星景撮影に行った時に感じるのは、30分ぐらい暗闇で作業した後に夜空を眺めると、非常に星が明るく見えるということです。実際、暗順応には30分から1時間かかると言われています。

なので、長時間(30分以上)滞在する居室については、光量を落としても、ほとんどの場合、目が慣れるから問題ないのです。もちろん、暗闇にしろ、というわけではありません。部屋に入った時に、少し暗いな、くらいの明るさでも、目が慣れたらすっかり忘れてしまうのです。

実は、人の目は、明るさに慣れる明順応は非常に高速です。
先ほどの星景撮影の例でも、もし、暗闇で作業中に光を見てしまったら、それですぐ明るいものは見えるようになるのですが、またそれから30分経たないと、暗さに目が慣れないのです。

なので、意識して光量を下げていかないと、明順応が早く、暗順応が遅いという人の目を特徴によって、知らず知らずのうちに過剰にライトを点けてしまう傾向にあります。気をつけましょう。

繰り返しますが、光量を落とすことは非常に重要です。ほとんどの部屋の照明は明るすぎますから。

具体的には、不要なライトを消すこと。また、電球や蛍光灯そのものが明るすぎる場合があるので、できるだけ消費電力が小さく、明るさが小さいもの(lm(ルーメン)という単位を確認しましょう)に変えましょう。

あと、暗い部屋で本を読んだり作業すると視力が悪くなるというのは迷信。嘘ですので。念のため。(ソース:Medical myths — Vreeman and Carroll 335 (7633) 1288 — BMJ

間接照明にする

部屋を暗くしても、ライトの発光部分からは強い光が出ており、直接見ると刺激が強いです。発光部分そのものが直接視界に入らないようにするには、間接照明しかありません。これは、先の障子の現代版とも言えます。できるだけ、間接照明をインテリアに取り入れましょう。無理ならシェードを活用するべきです。

例えば、部屋にもともとついてある蛍光灯がむき出しであれば、間接照明風になるシェードを取り付けます。できれば、部屋の隅に間接照明のライトスタンドを置き、夜はそのライトスタンドの明かりで過ごす方が良いと思います。

まとめ

以上、谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」を参考に、偏頭痛に悩む私の実体験を含めて、頭痛を予防するための空間デザインについて考えてきました。

実は、陰翳の三原則の「薄暗いこと」「清潔であること」「静かであること」は、それぞれ独立のものではなくて、相互に強く関係しています。

例えば、薄暗くて、かつ清潔でない部屋を考えるとどうでしょう。何か出てきそうで不安ですよね。薄暗さが生きてくるのは、シンプルで掃除の行き届いた清潔な部屋だからなのです。バーなどでは、薄暗いからこそ、隅々の掃除に気を使っているのです。

また、静かであるとは、自然の音を取り入れた静けさと説明しましたが、これを実現するには、室内と室外との間の空気の流れがないといけません。これは、空気の清潔さにつながります。

皆さんも、ぜひ陰翳の三原則を取り入れて、心と自律神経と頭痛に優しい、過ごしやすい部屋を作って見てくださいね。

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